歯科医の苦悩

2002年1月

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歯科医の視界
2002/1/30
50才くらいの男性患者、Kさんの話。

Kさんは、てっぺんのあたりの髪がやや薄かった。歯科医のポジションからは彼の頭頂部が丸見えなので、自然と目に入るのである。
歯科医の視界1









ある日Kさんは、こざっぱりとした「昨日床屋に行って来ました」と言わんばかりの頭でやってきた。Kさんがチェアーに腰かける。衛生士がエプロンをつける。
「はい、じゃ椅子倒しますねー。」
チェアーをウィーンと倒す。徐々に彼の頭頂部が私の視界に入ってくる。


歯科医の視界2









( ̄□ ̄;)なんかいつもより黒いんですけどー!?

これはもしや…ズラ?しかし境界はどこだ??うーん、わかんねー。最近のは良くできてるなあ…。

しばらく気になって治療に集中できませんでした。


歯科医の服装について
2002/1/25
女性歯科医というと、皆さんはこういうのを期待されるかも知れません。
女医1











しかし、現実には私の場合こんなカンジです。
女医2…ガッカリしました?











ワタクシ、現在前髪が長いのでピンで分けて留めてます。歯科医たるもの、髪の毛はきちんとまとめないといけませんから。メガネは防塵のために必須です。そこのアナタ、椿鮒子みたいとか思っちゃいけません。

白衣の下にはだいたいTシャツとか7分丈のカットソーを着てます。なんで7分丈かというと、どうせ診療中は白衣の袖をまくる(袖が邪魔なんです)ため、下に長袖の服を着てると面倒なのです。あと、あまり厚手のもこもこした服を着ても、腕が動かしづらいのでNGです。

下半身には何を着るかというと、病院によっては下も白衣ズボンのようですが、ウチは下は自前の服です。以前どこかにも書きましたが、私はスカートはほとんどはきません。やはり、パンツの方が動きやすいし。ブルージーンズ以外は何でもOKなんで、私は、チノパンとかカラージーンズとかを履いてます。あまりオシャレな服や高い服は着ません。何故ならよく汚すから。型を採る材料(印象材)とか、消毒薬とか、石膏とか。たまに血液。塩素系の薬品をこぼした日には見事に漂白されます(T_T)

靴については、個人病院では診療室でサンダルやスリッパ履きという先生も多いようですが、うちの大学ではサンダル、スリッパ不可と教えられました。ヒールの高い靴もダメ。というのも、タービンやエンジン(ドリル)を使うとき、微妙なフットペダル操作ができないといけないから。(車の運転をするときはサンダルやヒールを履かないというのと同じ理屈。履いてる人もいるけどね。)したがって、私はローヒールの靴かスニーカーです。

もちろんアクセサリーも香水もつけませんし、爪は短く揃えてます。まったく色気のないこってす。


歯学部受験〜それは遠い昔…
2002/1/20

歯学部を受験したのはもうずいぶん昔のこと。センター試験のことを共通一次と呼んでいた頃の話である。(ふるっ)

二次の筆記試験の時に、私の後ろの席にすっげー気持ち悪い人がいた。目がうつろで、何日も洗ってないようなべっとりとした髪の毛の男の人。ずーっとガムをかみ続け、ひとりブツブツ何かつぶやいていた。

後日合格発表があったとき、自分や一緒に受けた友人の番号を見つけて喜んだのはもちろんだが、次に気になったのは例の気持ち悪い男の合否である。えと、受験番号は席の前後で続き番号だから…


ヤツの番号は無かった。

…良かったーーー!(;´ д`)

友人と一緒にすごく安心したものである。あんな人と同じクラスにならなくて良かった。

その後も、ヤツがウチの歯学部に入学した形跡はない(もしいたらカオ見りゃ分かる)ので、翌年以降も不合格だったか、あきらめたかのどちらかであろう。はっ!Σ( ̄□ ̄;)まさかどっか他の大学の歯学部まんまと合格してたりして!?ヤツが歯医者になってるなんて、考えただけで恐いにょ!(>_<)

ちなみにうちの大学、私の時代は面接試験無かったんですが、最近は取り入れてるみたいです。偏差値だけじゃなく人間性も大事ってことですね。実際、医学部や歯学部に来る人って変わった人多いし(^^;)




「踊る!さんま御殿!!」にて
2002/1/15
今日放送の日テレ系「踊る!さんま御殿!!」で、お笑いのTake2のお二人が差し歯の値段の話をしておりました。

東くんの方は、歯科医に「きれいなやつと普通のやつ、どちらにしますか?」と言われて、「きれいなやつにしてください。」と言ったところ、受付で、「57万○千円になりますので次回ご用意下さい。」と言われ値段の高さにビックリした、というお話でした。

かたや深沢くんは、「高いのなら10万円(17万だったかな?)、安いのなら5千円です。」と言われ、「安いのでいいです。」と言って5千円の差し歯を入れてもらったが、その「安いやつ」は普通に喋ってるときにポロッと取れっちゃったというお話。

ここで差し歯と言ってるのは、厳密に言えば「前装冠(ぜんそうかん)」と思われます。「きれいなやつ」「高いやつ」というのはおそらく「メタルボンド」「陶材焼付前装冠」と呼ばれるセラミックを使ったやつ。色がきれいで透明感があります。「普通のやつ」「安いやつ」というのは「硬質レジン前装冠」。レジンというプラスチックを使ったやつ。そこそこの見た目と必要十分の強度を持ちます。

「高いやつ」は、保険外の自費診療になりますから一本6万円〜10万円前後はします。保険外なので各歯科医院によって値段はバラバラです。地域によってだいたいの相場がありますが、おおむね都市部ほど高いようです。 「安いやつ」保険がききます。保険証の種類によって患者さんの自己負担金は異なります。(2割とか3割とかいうやつ。そういえば今度社会保険も3割負担になっちゃいますね。)

「高いやつ」の値段、東くんが57万で、深沢くんが10万円というのは、治療した本数が違うんでしょう。たぶん深沢君は1本だけ、東君は5〜6本一気に治したものと思われます。

さんまさんが「俺なんか仮歯でも十分、これでええやんと思うもんなー。」とコメントしてました。実際、素人の方には「高いやつ」と「安いやつ」の区別はつかないかも知れませんね。強度も、安いやつだからってすごく弱いってことはないですよ。だから、深沢くんのいれた5千円の差し歯が取れちゃったというのは、何か他に原因があったんだと思いますよ。(実際に診たわけではないので断言はできませんが)

歯科医の立場からすると、「高いやつ」がきれいでおすすめなんですが。特に「芸能人は歯が命」な訳だし(笑)。お金が余ってるならぜひとも「高いやつ」を入れて欲しい。しかし、世の中不景気だし、そんなにお金余ってる人はまれだと思われます。要は患者さん自身が「高いやつ」にその値段分の価値があると思うかどうかですよね。何にお金をかけるかは、個人の価値観によってさまざまだと思う。

それにしても「高いやつ」はなんでそんなに高いのよ?もうちょっと安くできないの?とおっしゃる方もいるかもしれませんが、私に言われましても…(汗)。実際に使用する金属もプラチナの合金を使いますし、技工料金も高いし、いろいろコストかかるんですよ(^_^;


患者さんとのコミュニケーション
2002/1/13

歯科医にとって患者さんとのコミュニケーションは大切です。患者さんがどんな症状で困っているのかを聞き出し、診断を下し、治療方針を分かりやすく伝える。しかし、これがなかなか難しい。

やはり一番困るのは言葉の違い。日本語が話せない患者さんが来るとこちらも片言の英語で四苦八苦ということに。幸い(?)私が今いる診療所は田舎なので、まだ外国の方は診たことないですけど。

しかし、日本人でも、おじいちゃん、おばあちゃんは方言がきつくて、何を言ってるのか分からないときがあります。おまけに耳が遠かったりするともう何が何だか。一番分からなかったのが、あるおばあちゃんが言った
「顎がだいましい。」

「顎が大魔神???」

後で分かったのだけど、どうやら「だいましい」とは「だるい、重い感じ」を指すらしいです。

私の話す方言が、東京から転勤してきたばかりというおじさんに通じなかったこともあります。また、ある東京出身のおじいちゃんは、田舎に越してきたもののこちらの言葉に馴染めないらしく、「こっちの言葉は乱暴な感じがして嫌なんだ。」と愚痴をこぼしておりました。そのおじいちゃんに、私がアヤシイ関東言葉を使ってあげると「先生の言い方は優しいねえ。」と喜ばれました。

逆に、方言バリバリのご老人の場合、標準語だと気取った感じ、冷たい感じに取られがちです。したがってこちらも知ってる限りコテコテの方言で応対します。つまりは相手に合わせることが大事だということですね。

他にも方言ネタはいろいろあるのだけど、あまり具体的に書くと私の住所がばれちゃうので止めておきます。




慣れってコワい
2002/1/7

車の免許をお持ちの方なら分かると思うのですが、初心者の頃は少しの距離を運転するのもドキドキしっぱなしです。それが、免許を取って何年もたつと、けっこうボーっとしてても無意識のうちに運転できたりします。携帯電話で喋りながらでも運転できます。いや、ホントは危ないからダメなんだけど。

同じことが歯科医にも言えるのです。研修医の頃は、患者さんの口の中を検診するだけでも緊張したものでした。ましてや歯を削っているときはもうイッパイイッパイでした(+_+)

ところが、歯医者になって約10年、今では衛生士さんと雑談しながらでも歯を削れます。いや、患者さんに失礼だから、普段はあまり雑談しないようにしてますよ。でも、患者が子供で、付き添いの親がそばにいない時なんかはつい喋っちゃったりしますね。あと、耳の遠いご老人の治療しているとき。

簡単な処置なら、ボーっと考え事をしながら歯を削ってる時もあります。←危ないって!(^_^;「おいおい真剣にやってくれよ!」というツッコミが聞こえてきそうです。さすがに、親知らずの抜歯とか、難しい処置をしているときは超真剣にやってますよ。そんなマジな時の私の姿を見た婦女子は、一発で私に惚れることでしょう(←大嘘)

いかんいかん。初心に帰って、常に緊張感をもって仕事しようっと。新年、仕事始めに思った決意でした。




お正月までに
2002/1/1

年末になると、お正月までになんとか治してくれ、と駆け込んでくる人が多い。しかし、そう言われても、数回の治療じゃとても治らないような状態の人もいて、困ってしまう。とりあえず、年末年始に痛みがでないように応急処置をして、ちゃんとした治療は年が明けてから、とお話しして、納得してもらう。

何とか年内に治してくれ!と食い下がる人もたまにいる。ただでさえ、年末で患者さんが多くてパニクっているヘッポコ歯科医にどうせえっちゅうねん!痛くなかったらそれでええやないか!我慢してくれ!

別に年賀状が書けてなくても、大掃除ができてなくても、時間がくれば新年になるでしょ?それと同じですよ。新しい入れ歯ができてなくても、仮歯のままでも、新年はやってくるんです。

というわけで、新年あけましておめでとうございます。今年もよろしくお付き合い下さいませm(_ _)m




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